中国の兵法書「孫子」に
拙速(せっそく)は巧遅(こうち)に勝る
という格言があります。
これは、セミナー 講師の鮒谷先生から頂いた言葉です。
少し、分かりやすく説明すると
拙速とは、才能に乏しくても速いことであり、
巧遅とは、物事を上手にしとげるも遅いことです。
つまり、この格言の意味は
完璧でなくとも “仕事が早い”に越したことはないという意味。
社会人 7,8年目くらいのことを思い出します。
徐々に仕事に慣れ、お客様からの評価も少しずつ得られた時期。
格好つけたく、自分のスキルを誇示したくなるのですw。
“ 俺の仕事は、完璧だ。納期は1週間くらい過ぎてもいいじゃないか! どうだー!”
というような感じです。
結果、某公共機関のシステムリリースの納期が2週間遅れ
お客様に迷惑をかけてしまう始末。
勿論、チームメンバー、他のチームにも。。。
例のように、池田 部長から居酒屋で
80点の出来事で良いから、早く報告しろ!
敏速に報告すれば、お客様との意識のズレも気づけるだろ!
お前の技術は認めるが
この仕事は、お前の自己満足を満たすことじゃないんだよ!
お客様の満足を満たすことに集中しろ!
納期を常に意識しろ!
納期は、お客様との約束だ!
お客様との信頼関係を得ることなんだよ!
この関係の積み重ねが、後々響いてくるんだよ!
分かったか!
天狗の鼻を折られたと同時に、仕事の取り組みが変わった時期。
帰宅の電車の中で一人反省会をし始めた頃です。
それから、徐々に納期よりも早く済ますようになって
コソっとお客様に
システムの動作テストありがとうございました!
リリースまでに若干余裕があります。
先日、お困りになられていた〇〇と■ ■ ですが、
〇〇ならリリースまでになんとか間に合いそうです。
どうしましょうか。でも、池田 部長には内緒ですよw。
ここから、
お客様から”〇川商店”と言われるようになり
営業を通さずに、プロジェクト費用を聞かれるように。
後々、費用交渉の場に参加できるようになりました。
そんなこんなで、事業部に貢献できるようになって
しばしば、池田 部長から 喫煙室に呼び出され
池田 部長:〇川!、お前さ!、この見積は高くないか!( 椅子に座ってタバコに火をつける。煙が目にしみるのか目を細め、見積書を見ながら気だるく言う。。)
わたし:いえ、妥当です。~~と~~の理由で、このぐらいは見積もった方が良いと思います。ガッツリ稼ぎます!(立ったまま、ゴホン、 ゴホンとむせる。)
池田 部長:でも、高くねーかw (タバコをぷわ~ ~ ~ ~ っと) 。* * * 万円はどうよ!
わたし:池田 部長!失礼ですが、私の能力を安く見積もっていらっしゃます!それは、バナナのたたき売り価格です。私は予算達成を意識しています。
池田 部長: 〇川、10%引け!
わたし:いえ、納得できません。
池田 部長: じゃ、5%引け!
わたし:仕方ありません。ではそれで修正しますので後ほどレビューください。それで、池田 部長! タバコの吸い過ぎですよ。
池田 部長: うるせ! (タバコの煙で、ゴホン、 ゴホンと)
わたし:ほらw
池田 部長:。。。。(にらみながら、タバコ Peaceの缶を投げる素振りをするw)
私の懐かしい思い出話でして
「拙速は巧遅に勝る!」は、
波及効果の高い考えであることを身をもって知った経験でした。
話を戻します。
何を言いたいかというと
巧遅(こうち)< 拙速(せっそく)
の構図が大切であるということです。
しかし、同じ年代でも完璧さを追求するあまり
いつも期限がギリギリになる人を見かけます。
完璧さを心掛けること自体は、とても素晴らしい考え方です。
エンジニアの傾向なのでしょうか。。
ただし、納期を守れないのは元も子もありません。
完璧と自分が思っていても
相手が同じように、完璧と感じていただけるとは限りません。
独りよがりになる危険性があるということです。
お客様の求めているニーズとズレが生じることがあるからです。
納期が、今日の場合は
絶対に、明日に延ばさないことです。
仕事に粗さは “多少”残っても、処理スピードを高めて少しでも前倒しを心掛けること。
“多少”というのがポイントでして、拙速といっても限度もあります。
いくらスピードが早いといっても
あまりにも粗雑すぎたり
内容が、ずさんすぎると当然ながら信頼を大きく損ねますから。
「品質の最大化」と「時間の最短化」
というチャレンジが、
拙速という本当の意味を読み解くコツなのかもしれません。
■まとめ
- 「拙速は巧遅に勝る!」 は年齢に関係なく意識すること。
- 「品質の最大化」と「時間の最短化」 にチャレンジすること。
- 天国でタバコを吸っている池田 部長を思い出せ。
因みに、このブログはこの格言を聞いて実践しました。